口はA君で、目はBさんで、脳みそはワタシ

「最近話題の〜」やら「〇〇氏推薦の〜」やら日常生活を送る上で誰かのお墨付きがないとお金を出さない性分。

 

顔なしのこいつがああだと言って、名無しのあいつがこうだと言う。ネット上に溢れるエセ評論家たちのご意見に流されて、日々更新される伝言ゲームが繰り返されていく。その1プレイヤーになりきって、自分の好みをそいつらの好みに擦り合わせる。

 

他人と違う自分を演じ切るのに、どれほど個性を渇望したことか。

 

そもそも個性を求める姿勢こそが画一的であり、結局自分はいかに普遍的な人間で一般論を綺麗なぞって生きているのかを痛感させられる。

 

輪郭さえも見えないくせに、個性を見出そうとする自分が滑稽で情けなくなる。

 

餌を求める獰猛な動物のように、目をギラつかせて今日もネットを凝視する。

 

検索をかけたら、すぐにヒットして出てきそうな、くだらないワタシ。

 

今日は、世界のどんな人を演じきれば、深く息を吸えるのだろう。